東洋医学概論

* 【覚えよう!】臓腑病証




五臓の病証



症状
視力低下、眼精疲労、筋のひきつれ・萎縮、月経異常、怒りやすくなる、びくびくする 。
肝気の鬱滞 精神抑鬱、怒りっぽい、胸悶、胸脇苦満、脈弦、
月経異常、乳房部に腫痛、咽頭の閉塞感(梅核気)、頸部の腫塊。
肝火の亢進 顔面部に熱症が現れる特徴がある。

頭痛、目の充血、いらいら、怒りっぽい
《胆に移動》 ----→ 耳鳴り、口苦
《心神に影響》 ----→ 心煩、不眠、多夢
肝陰虚 肝病の症状+陰虚症状が同時に現れる。

目が乾燥し異物が入ったような痛み、脇痛、手足のひきつり、五心煩熱、盗汗、口や咽頭の渇き、耳鳴り、めまい
肝陽の亢進 めまい、頭痛、耳鳴り、目の充血、いらいらする、怒りっぽい、腰や膝がだるく力が入らない。
+ 陰虚による証候
肝血虚 目の乾き・かすみ、脇部の隠痛、顔面萎黄、唇や舌質の色が淡白、めまい、不眠、多夢、四肢のふるえ、筋肉のひきつり、拘急、月経の経血量少、経質淡、閉経。
肝風 めまい、しびれ、ふるえ、痙攣、拘急。半身不随になるものもある。
精神活動と血液の循環の異常・・・・躁鬱病、精神病、意識障害。
顔、舌・・・・言語障害、味覚障害。
心気虚 心悸、胸悶
息切れ、倦怠、自汗
心陽虚 心悸、胸悶、胸痛
畏寒、四肢の冷え
 + 気虚証候
心血虚 心悸、不眠、めまい、健忘
心陰虚 心悸、不眠、五心煩熱
心火の亢進 心悸、胸部の煩熱間、不眠、尿赤
重症 ----→ 狂乱、うわごと、意識障害、口舌に瘡を形成
心脈の阻滞 心悸、背面に放散する胸痛、胸悶
飲食物の消化・吸収、水分代謝、気血の生成、血の固摂などに影響が現れる。
四肢、肌肉、唇、口に異常が現れる。
脾の病の原因には、第一に「思い煩う」ことによる内傷がある。
脾気虚 多くの場合、胃気虚の証候を伴う=脾胃虚弱。
食欲不振、泥状便、食後の膨満感。+気虚の証候。

《運化機能低下》 ----→ 消化不良、体がだるくなり、肌肉が痩せる。腹鳴。
《水湿の運化悪化》 ----→ 湿・痰・飲むなどの病理産物発生、浮腫を形成。
《昇清悪化》 ----→ 内臓下垂。
《統血作用低下》 ----→ 血便、血尿、崩漏などの出血。
脾陽虚 脾気虚の証候+陽虚による虚寒病証。
腹部の冷え、四肢の冷え、未消化物を下痢。

《腎陽に影響》 ----→ 五更泄瀉(明け方の下痢)などの脾腎陽虚の証候。
腹痛、喜温喜按、畏寒、腹部や四肢の冷え。
脾陰虚 食欲不振、食後の腹部膨満感、消痩、無力感。
舌質紅、舌上の津液少、無苔や剥落苔。
脾胃湿熱 腹部のつかえ、膨満感、腹部の隠痛、食欲不振、嘔悪、口苦、口が粘る。
脾胃の
昇降失調
心下痞(つかえ)、悪心、嘔吐、噫気、腹鳴、下痢。
呼吸、気の生成と輸送、津液代謝、血行に障害が現れる。
皮毛、鼻、声に異常が現れる。
宣発・粛降の
失調
咳嗽、痰、鼻の異常、くしゃみ、無汗。
《外邪によるもの》 ----→ 悪寒、悪風、発熱を伴う。
肺気虚 無力な咳嗽、喘息、少気、自汗、息切れ。
《津液の輸送機能低下》 ----→ 痰飲、浮腫。
肺陰虚 から咳、むせかえるような咳、咽頭の乾き、粘くて少ない痰、潮熱、五心煩熱、盗汗、痰に血が混じることもある。
精の外泄、水液代謝の失調、発育の遅れ、生殖機能の低下による不妊症、陽萎、呼吸困難などが起こる。
健忘症、腰痛、下肢に力が入らなくなる、浮腫。
耳、髪、歯、二陰(小便口・大便口)に異常が現れる。
腎陰虚 腰や膝の軟弱化、めまい、耳鳴り、五心煩熱、
不眠、多夢、咽頭の乾き、便秘、盗汗、午後の潮熱。
腎陽虚 命門火衰ともいわれる。
主症 : 腰や膝の軟弱化と冷え、四肢の冷え、寒がり。
《温煦機能低下》 ----→ 全身の冷え。
《温煦機能低下》 ----→ 脾の運化機能低下⇒下痢、陽萎、不妊症。
《温煦機能低下》 ----→ 腎の気化機能低下⇒水液代謝の障害(浮腫、尿量の減少)。
腎気虚 @腎気不固(封蔵機能低下)・・・・遺精、早漏、遺尿、小便失禁、流産しやすい、帯下。腎気虚による腰や膝の軟弱化、耳鳴り、難聴を伴いやすい。

A腎不納気(納気機能低下)・・・・喘息、呼吸困難、息切れ。




六腑の病証


症状
《胆汁の排泄、貯蔵に障害》 ----→ 悪心、嘔吐、口苦。
《決断力や勇気の低下》 ----→ 不安感が強くなったり、ものに驚きやすくなる。
消化機能に異常が現れる。
胃寒 @実寒・・・・上腹部の冷痛、腹部拒按。
A虚寒・・・・上腹部の鈍痛、腹部喜按。(食後に軽減するものもある)
胃熱 空腹感はあるが、あまり食べられない、口や咽頭の軽度の渇きを伴う。

@実熱・・・・上腹部の灼熱痛、腹部拒按、少穀善飢(食欲亢進、食後すぐに空腹感)、口臭、口渇、便秘。
A虚熱・・・・上腹部の嘈雑(空腹なようで空腹でなく、痛むようで痛まず、苦悩して安らかでない状態。 しだいに上腹部が痛むようになるが、胃に食物が入ると止まる)。
食滞 傷食、食積ともいう。
食を嫌う、胸や胃がつかえて苦しい、呑酸、噯腐、大便に酸臭、苔舌厚膩。
小腸 @虚寒病証・・・・食後の腹張、下痢(未消化便)、腹鳴。
A実熱病証・・・・小便が赤くなったり濁ったりする。口舌の瘡、舌尖紅。
大腸 排便異常、大腸の燥熱、便秘、泥状便、下痢。
膀胱 《腎の陽気不足で膀胱の気化機能低下》 ----→ 排尿不利、尿閉。
《腎気不固により膀胱の固摂機能低下》 ----→ 遺尿、尿失禁。
《湿熱が膀胱にこもる》 ----→ 頻尿、尿意促進、排尿痛、尿の混濁。
湿熱が長期にわたって膀胱にこもると、結石を形成することもある。
三焦 栄養の消化吸収と分配、水液代謝に異常が現れる。
《上焦機能低下》 ----→ 発汗障害。
《中焦機能低下》 ----→ 消化不良、胃腸内の水分の停滞。
《下焦の機能低下》 ----→ 尿閉、下腹部痛。



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