八綱病証とは・・・・四診によって得られた症状などを総合的に分析し、病変部位・性質・正気と邪気の力関係などの状況を説明するもの。
陰陽が八綱を統括する総網である。
証 | 症候 | 苔 | 脈 | |
---|---|---|---|---|
陰 | 裏 | 顔面蒼白、気分が沈うつして活気がない、言葉が少ない、手足を縮める、悪寒、冷え | 淡胖 | 遅、弱、 細、微 |
寒 | ||||
虚 | ||||
陽 | 表 | 顔面紅潮、活気がある、言葉が多い、手足を伸ばす、炎症、充血、発熱 | 紅 | 浮、数、滑、洪、実 |
熱 | ||||
実 |
証 | 症候 | 苔 | 脈 | |
---|---|---|---|---|
病位の深浅 (病位) |
表 | 悪寒、発熱、頭痛、項強、腰背痛、四肢関節痛 | 浮 | |
半表半裏 | 往来寒熱、胸脇苦満、口苦、咽乾、眩暈 | 弦 | ||
裏 | 悪熱、口渇、便秘、腹部膨満、腹痛、下痢 | 厚 | 沈 | |
疾病の性質 (病情) |
寒 | 悪寒、手足の冷え、顔面蒼白、寒性の下痢、小便が澄んで量が多い、唇の色は淡白 | 白で 湿潤 |
遅 |
熱 | 発熱、煩躁、顔が赤くほてる、大便秘結、小便は赤濁し量が少ない、口渇 | 黄 | 数 | |
正邪の盛衰 (病勢) |
虚 | 呼吸や語勢が弱い、自汗、下痢、小便頻数、筋肉に弾力性がない、喜按 | 濡、弱、微、虚 | |
実 | 呼吸や語勢があらく強い、無汗、便秘、小便の回数が少ない、筋肉に弾力性がある、拒按 | 弦、洪、滑、実 |
証 | 症候 | |||
---|---|---|---|---|
気 | 気虚 | 精神の萎縮・停滞、倦怠感、手足の無力感、めまい、自汗、風をひきやすい、症状が治りにくい。
■気虚のために気の昇挙作用が低下 ↓ 《気陥》 胃下垂、腎下垂、脱肛、子宮脱などの内臓下垂に。 ■気の固摂機能低下 ↓ 出血、多汗、多尿、遺精。 |
||
気滞 |
■営気の運行失調 ↓ * 寒邪によって痛みや痺れ。 * 湿邪によって痺れや麻痺。 ■衛気の運行失調 ↓ * 外邪性の疾患にかかりやすくなる。 * 体表部での水分代謝が低下すると、浮腫をおこす。 ■気の昇降出入りの失調 ↓ * 肺の宣散と粛降作用の失調 ---- 胸悶(胸のつかえ)、咳嗽、痰が多くなる。 * 脾の昇清作用の失調 --------- 下痢、食欲不振、内臓下垂。 * 胃の降濁作用低下 ----------- 噫気、呑酸、悪心、嘔吐。 気逆・・・・気の昇降が失調し、臓腑の気が上逆する病態。 |
|||
血 | 血虚 | 体の感覚や運動機能の低下、視力減退、目眩、立ちくらみ、手足の無力感、心臓の拍動異常、健忘、不眠 | ||
血熱 | 発熱、口渇、口苦、便秘、脈滑数。
(熱症状、血液の消耗症状) |
|||
血寒 | 手足の厥冷、血瘀。 | |||
血瘀 | 疼痛--→増悪すると腫瘤を形成。 | |||
津液 | 津液不足 | 目、鼻、口唇の乾燥、毛髪の艶がなくなる、皮膚の張りがなくなる、口渇、尿量減少、便秘 | ||
代謝と運行の失調 | 水腫発生、鼓腫(腹水の一種)、痰飲形成、水湿発生、心悸更新、呼吸困難、喘、下痢、関節の屈伸困難 |
← 東洋医学概論