【症状】:
* 初期には歩行開始時痛がある。
* 歩行や立ち座り、寝返りなどの股関節運動時の股関節部痛
* 疼痛性跛行
* 可動域制限
* トレンデレンブルグ徴候陽性(患肢で片脚起立すると健側の骨盤が下降し、上体は患側に傾く)
【疫学】:
@ 一次性・・・・原疾患が明らかでないもの。
A 二次性・・・・先天性股関節脱臼・亜脱臼、臼蓋形成不全などの疾患に続発するもの。
(↑日本ではこちらが多い)
【好発】: 女児
【診断】:
* 関節裂隙の狭小化
* 軟骨下骨の硬化像
* 骨嚢胞の出現
* 骨頭の変形
* 骨棘の形成
* 臼蓋形成不全
* シェントン線の乱れ
【治療】:
《保存的治療》
@ 生活指導・・・・体重減量(股関節への負担軽減)、杖の使用(健側)、長時間立位・歩行の制限、プール内歩行(膝の負担にならない運動)、股関節外転運動の筋力増強運動など。
A 補助具
《観血的治療》
@ 関節間隙が少なくとも残存(進行期まで)・・・・骨切り術
A 関節裂隙が完全に消失(末期時)・・・・人工関節全置換術、または固定術(片側例に限る)
【処方経穴例】: 環跳
【症状】:
<新生児期>
@ 股位異常・・・・開排制限(内転内旋位になる)
A クリック音 (クリックサイン陽性:バーローテスト、オルトラニー徴候)・・・・屈曲外転時
<乳児期>
@ 股位異常・・・・開排制限(内転内旋位になる)<
A 下肢短縮(アリス徴候)
B 大腿内側皮膚溝の左右非対称
C 寛骨臼の空虚
D 歩き初めの遅延
<歩行開始後>
@ トレンデレンブルグ徴候
A 軟性墜下性跛行
B 腰椎前弯
C 大転子高位・・・・ローゼル・ネラトン線(大腿側面で上前腸骨棘と坐骨結節を結ぶ線)を指標とする。
【好発】: 女児
【治療】:
《保存的治療》
<新生児期>
@ 育児指導・・・・適切なおむつの使用と抱き方。
A リーメンビューゲル装具
B フォン・ローゼン装具
<乳児期>
@ リーメンビューゲル装具
A 頭上方向牽引療法
B ローレンツ・ギブス固定法
《観血的治療》
保存的治療の成績はかなり良好であるが、ときに不良な場合、観血的治療が行われる。
テスト名 | 方法 | 陽性 | 疑われる疾患 | 出題された 経絡・経穴等 |
---|---|---|---|---|
トーマステスト |
(患者は仰臥位) 一側の膝を胸につけるように屈曲させる。 |
腰椎前彎が除かれ、反対側(股関節屈曲拘縮のある側)の下肢が診療台から持ち上がる。 |
* 腸腰筋・大腿四頭筋の短縮・拘縮 * 股関節(腸骨大腿靭帯)の拘縮) |
* ストレッチの対象・・・・腸腰筋 |
パトリックテスト (4の字テスト) |
(患者は仰臥位)
1.股関節を他動的に屈曲、外転、外旋させ、その脚の外果を他側の伸展した下肢の膝の上に乗せる。 |
* 膝の外側が痛みのため検査台につかない。 * 股関節・仙腸関節・大腿内側に疼痛。 |
* 股関節疾患(変形性股関節症など) * 仙腸関節疾患 * 内転筋群や腸腰筋の短縮・拘縮 |
* 環跳 |
トレンデレンブルグ徴候 |
(患者は立位)
1.患者は健側の膝関節を屈曲させ、患肢だけで立つ。 |
健側の骨盤が下がる。 | * 小殿筋・中殿筋の機能低下、麻痺 | |
アリス徴候 |
(患者は背臥位) 患者は膝を屈曲し、立て膝の姿勢をとる。 |
患側の膝の高さが低い。 |
* 発育性股関節形成不全 * 先天性股関節脱臼 |
|
バーローテスト | クリック音 | * 先天性股関節脱臼 | ||
オルトラニー徴候 | クリック音 | * 先天性股関節脱臼 |
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