基本手技 | 方法・作用 | ||||
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1 | 軽擦法 (按撫法) |
術者の手を施術部位に密着させ、これに適度の力を加えながら、撫で、さする方法。 《作用》 弱い軽擦法----知覚神経を刺激して反射作用→爽快な感覚 強い軽擦法----循環系の流通を良くし新陳代謝を盛んにし、鎮痛効果もある。 |
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手技 | 方法 | 対象部位 | |||
手掌軽擦法 | 手掌全体で軽擦するもの。 | 大部分はこの軽擦法を用いる。 | |||
指腹軽擦法 | 四指の掌面を用いて軽擦する。 | ||||
指端軽擦法 | 指端を以って軽く皮膚を線状になでる方法。 | ||||
基本手技 | 方法・作用 | ||||
2 | 揉捏法 (揉撫法) |
術者の手指を以て筋肉などの軟らかい組織を押し、こね、つまみ、搾るように揉む方法。 《作用》 筋肉に作用を及ぼし筋組織の循環を良くし、組織の新陳代謝を盛んにし、栄養を高め、機能を盛んにする。また、腹部に行うときは胃腸の蠕動運動を高めて便通を良くする。 |
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手技 | 方法 | 対象部位 | |||
手掌揉捏法 | 手掌部を使って行う。 | 背腰部、下肢、胸腹部など比較的広い面積の部位。 | |||
把握揉捏法 | 四指と母指とで筋肉を強く握り搾るようにしながら筋肉の経過に従い揉んでいく方法。 | 肩上部、頸部、上腕、下腿部など。 | |||
母指揉捏法 | 母指腹で筋肉を強く押し付けながら線状または輪状に揉む方法。普通3〜4回揉むと母指の位置を変えて、次々と筋肉の経過に従い揉んで行く。この際、四指は固定して動かさないようにする。 | 頭部、顔面、背部、腰部、手背、足背の骨間など。 | |||
二指揉捏法 | 母指と示指で筋肉を挟み、つまむようにして揉む手技。 | 頸、上肢、下肢。 | |||
四指揉捏法 | 母指以外の四指を以て、その掌面で輪状に揉むもの。 | 頭部、顔面、背部、胸部、腹部など。 | |||
手根揉捏法 | 手根または母指球を組織に当て、これを輪状に動かしながら圧を加えて揉むもの。 | 腰背部、下肢、頭部、殿部など。 | |||
ろとう揉捏法 (櫓盪) |
両手掌を重ねてあたかも「舟の櫓」をこぐようにして行うもの。 | 主に腹部。 (腰部などに応用されることもある) |
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錐状揉捏法 (錐揉状揉捏) |
両手掌で施術部をはさみ「きりもみ」の様にして揉捏してゆく。 | 上肢など。 | |||
鋸切状揉捏法 | 施術部に両手掌をならべて、つかむようにして左右交互に動かしながら移動していく。 | 上肢など。 | |||
縦行揉捏法 | 両手で体軸に併行して筋肉を握り、縦方向に揉み進む方法。 | 上肢。 | |||
基本手技 | 方法・作用 | ||||
3 | 叩打法 |
身体の表面を術者の手指で打ち、叩く方法。 《作用》 断続刺激がリズミカルに作用するので、神経・筋の興奮性を高め、血行を良くし、機能を亢進させる。 |
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手技 | 方法 | 対象部位 | |||
手拳揉捏法 | 軽く握った拳の小指側で叩く方法。 | ||||
切打法 | 開いた手の小指側の縁で叩くもので、この際指と指の間は軽く離して叩打する。 | ||||
指頭叩打法 | 母指以外の四指の指頭を以て叩く方法。 | ||||
合掌打法 | 両手の手掌部をあわせ、施術部をその小指側で叩く手技。 | 肩上、背部など。 | |||
宿気打法 (手背叩打法、含気打、空気打) |
左右の手掌を交差してあわせ、中に空気をたくわえるようにして一方の手背で叩打する方法。 | 頭部、肩上部、背腰部、下肢など。 | |||
基本手技 | 方法・作用 | ||||
4 | 圧迫法 (按撫法) |
手指により軟部組織を深部に向かって圧迫する方法。 《作用》 機能の抑制である神経痛の痛みを鎮め、痙攣を押さえるなど。 |
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手技 | 方法 | 対象部位 | |||
母指圧迫法 | 母指を以て徐々に圧迫を加えるもので主に脊中の両側などに用いる。 | ||||
四指圧迫法 | 四指の掌面または指頭を以て圧迫する方法。 | ||||
手掌圧迫法 | 手掌全体の掌面を以て圧迫する方法。 | ||||
基本手技 | 方法・作用 | ||||
5 | 振せん法 | 手指を細かく振るわせてその振動を組織に与える方法。 《作用》 細かい断続的な刺激により、神経、筋の興奮性を高めると同時に、快い感覚を覚えさせる。 |
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手技 | 方法 | 対象部位 | |||
指頭振せん法 | 母指、示指などの指頭を以て押しながら振るわす方法。 | ||||
手掌振せん法 | 手掌全体を用いて振るわせる方法。。 | 腹部など広い部位。 | |||
牽引性振せん法 | 術者の両手を以て患者の上肢、下肢を引っ張るようにしながら振るわせる方法。 | ||||
基本手技 | 方法・作用 | ||||
6 | 運動法 | 患者の関節を十分弛緩させて術者がこれを動かす方法。 《作用》 関節内の血行を良くし関節滑液の分泌を促し、関節運動を円滑にして関節の拘縮などを予防する。 |
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基本手技 | 方法・作用 | ||||
7 | 曲手 | あん摩独特の手技で叩打法の変形と見なされている。 | |||
手技 | 方法 | 対象部位 | |||
車手 | 指頭を体表に接すると同時に第一、第二指関節を次々に体表に折り、転がし、関節背面が体表に次々にコツコツと当たるようにする。これを反復することにより四指の背面が車のごとく回転しながら移動していくもの。 | 背腰部肩部など。 | |||
挫手 | 指頭を体表に当てて指関節を折って転がし第1指関節の背側を体表に反復転がす方法で、母指を用いる母指挫きと、四指を用いる四指挫きとがある。 | ||||
突手 | 手指を伸ばし指端を垂直に体表を突くと同時に各指を一斉に曲げ、四指の背面関節で体表を突くようにする手技。 | ||||
横手 (鳴骨の術) |
開いた手の小指側の縁を体表に当て手根を前後に速やかに回転し体表を揉捏するように行う手技で、この際関節がコツコツ鳴るようにする。 | ||||
柳手 | 手指を弛緩させ体表に小指球を当て、または当てる部位を換えながら各指の掌面の関節で示指、中指、環指、小指と次々に素早く叩打する方法。 | ||||
頭の曲手 | 左手掌を患者の頭上に当て、その手背に右手の肘を乗せ、右手手部を振動させてその響を頭に伝える手技。 | ||||
耳鐘の曲手 | 左右の示指を同時に耳孔に入れたまま左右の中指と母指ではじき、その響を耳中に伝えるもので、耳を抜く時は左右同時に一気に抜くもの。。 | ||||
袋打の術 | 左右の手を軽く合わせて握り、握ったままその手背で軽く叩打し音を発する手技。。 |